ほぼ最速 HHKB Studio 発売日レビュー。マウスの利用頻度を著しく下げることが出来るオールインワンキーボード

Koichiro, Sumi
13 min readOct 25, 2023

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PFUの最新キーボード、HHKB Studioを買ってきました!
キーボードマニアでもなんでも無いですが、せっかく発表日に買えたのでレビューです。

普段は写真の通り、HHKB Hybrid Type-S US配列 雪を愛用しています。
PREDUCTSの木目のデスクと、白に統一されたキーボード、トラックパッドととってもきれいで気に入ってます。

HHKB Hyprid Type-S 雪, Apple MagicTrackpad, バード電子のHHKB用ウッドパームレストWP-HHK2

HHKBを2008年頃から使っているので、2023年な今、HHKB利用歴は15年程。ユーザーミートアップをConnpassのメルマガかなにかで知り、興味本位で参加申し込みしていたら、まさかの当日新製品発表。
会場では製品紹介と即売会が。買うしか無い!買ってきました!

見た目のファーストインプレッション

HHKB Studio

従来のHHKBと配列は全く一緒です。ThinkPadのノートパソコンのように、ポインティングデバイスの丸ポチがGとHの間にあります。
「全く一緒」と書きましたが、この部分だけは変化がある分、私はまだ少しだけ、タイプミスをします。今までGとHの境界ギリギリのところをタイプすることが結構あったのかもしれません。

HHKB Hybrid Type-Sでは単三電池2本が入っている部分が出っ張りとして存在していましたが、それがなくなり、電池はキーボードの背面に収まりました。そのため、それほど大きくなったような感じはしません。

以下の写真を見て頂ければ、なんとなく、そこまでサイズの差を感じない事がわかると思います。

ただ、上の写真は真上から撮りましたが、キーボードを本来打つだろう視点で撮ると以下のように電池ボックスは見えないので、従来のHHKBのほうが視覚的には小さく見えるかもしれません。

使ってみての一番の違いはマウス機能

やはり従来のHHKBと比べて一番の違いは、マウス機能が付いたことでしょう。

丸ポチはThinkPadのように、おすとクリックにすることは出来ます。デフォルトではその機能は無効になっており、代わりにFn2が割り当てられています。

スペースキーの下の3つのボタンが左クリック、マウスのスクロール等で使う真ん中のホイール押下のようなボタン、右クリックになっています。
真中のボタンを押しながらポインティングデバイスを傾けるとスクロールになるため、非常に便利です。

HHKBユーザーミートアップの登壇者の発言でも有りましたが、「マウスを使用する頻度が減る」のは間違い有りません。

Apple Magic Trackpadは3本指操作やピンチイン、アウトなどが出来るため、それを完全に代替は出来ませんが、基本のマウスとしての利用であれば、十分にこのポインティングデバイスと3つのキーは機能します。

タイピング時の打刻感と音はかなり違う

今回、今まで長い間HHKBは静電容量無接点方式でしたが、HHKB Studioはメカニカルスイッチを採用したメカニカルキーボードに変化しました。

打刻感は「メカニカル!!」というほどでは有りません。けれども、やはり今までのHHKBのような、「カチャカチャ」する感じはありません。しっとりとした感じです。一方で、もちろんHHKBっぽくもあり、しっかりと打刻する感じがあります。安物のキーボードのようにカタカタ揺れている感じはなく、Macのキーボードのバタフライ式のようにペタペタする感じでもありません。今までの自分のキーボード体験でいうと、FILCOの茶軸キーボードを使っていたときの感じに似ているような気がします。だいぶ前の記憶なので自信はないですが…。

打刻音は普通にタイピングする分にはかなり静かになっています。従来は「カシャカシャ」みたいな音でしたが、「しゃこしゃこしゃこ」というおとなしい音になっています。

HHKB Professionalなどはかなりタイピング音が大きく、周囲の方が迷惑に感じる事もあったかと思います。そのため私もType-Sが出たらすぐにType−Sに買い替えて使っていましたが、それよりもかなり静かです。

茶軸などのメカニカルキーボードに近づいたHHKBみたいな感じでしょうか。

「重い」というほどではないですが、沈み込む感じはあり、HHKB Hybrid Type-Sと比べると、疲れはしないが重い感じはあります。反発もちゃんとあり、やっぱりHHKBではあります。

購入したらまずはフォームウェアアップデートを!

こちらは開封時の写真ですが、フォームウェアアップデートが推奨されています。このキーボードはまだまだこれからです。初期ロットなので、進化はこれからでしょう。

キーボードマップの変更にはUSB接続が必要

正直、ソフトウェアの面では、Logicoolなどと比べるとまだまだです。良くも悪くも、PFU、HHKBだ、と感じます。

HHKB Studioでは4種類のキーボードマップをプロファイルとして保存出来るようになりました。出荷時はプロファイル1にWin、2にMac、3と4は未設定です。切り替えはCtrl+C+1/2/3/4で行います。

Logicoolであればショートカットキー割当などはソフトウェア制御で、そのソフトウェアの設定はクラウドで同期されます。一方、HHKB Studioはキーボードの内部に、プロファイルを書き込みます。

そのため、キーボードのBluetooth接続先をHHKB Hybridシリーズ同様、Ctrl+Fn+1/2/3/4などで切り替えても、HHKB内部のキーマップは選択されたプロファイルの通りであり、複数のマシンでソフトウェア的にキーマップを変える必要はありません。キーマップはキーボードの中で完結しています。

一方で、MacからWindowsに接続先を切り替える場合、接続先を切り替えたあとに、プロファイルを切り替えるという、2回の操作が発生します。正直、プロファイルを切り替えずにそのまま私はMacのプロファイル+カスタマイズしたもので使い続ける気がします。

とりあえず、HHKB Studioにしたことで、USキーボードあるあるの問題の「かな」「英数」キーがなくて困る問題が、キーマップ変更で対応出来るようになったので、ちょっと便利です。
でも、元々私はKarabinerでキーマップ変更していたので、OS上のソフトウェアで変えるのか、キーボード内部で変えるのかが変わったに過ぎず、また、変更には都度USBでPCと接続し、専用ソフトで書き換えを行う必要があるので、少々手間です。Bluetooth接続状態ではキーマップ変更は行えません。

Fn+Ctrl+0でUSB接続に変更し、HHKBキーマップ変更ソフトウェアを立ち上げると変更を書き込むことが出来ます。

一旦まだ初日ということで、かな・英数・バックスペースへの変更のみしてみています。

ジェスチャー機能は慣れが必要。好みに合わせて設定を

今回、ポインティングスティックよりモダンな機能として、ジェスチャーパッドが付いています。キーボードの左右(両端側面)、キーボード下部の左右(前面の左右、クリックボタンの左右)をなぞることで、デフォルトでは左側は十字キー、右側はTabL TabR や上下のスクロールなどが使えます。

正直、十字キーはHHKB使いとしてはFnでの↑↓←→に慣れていると思うので、それほど魅力的なマッピングとは思えません。何か、別の機能に置き換えて使ったほうが良いでしょう。輝度変更だったり、音量変更だったり、ズームだったりが良いかもしれません。

ソースコードや文章を書く上で、十字キーよりも早く移動できるのは便利なのですが、それであればせっかくポインティングスティックとクリックボタンが付いたのだから、そっちで移動するよ、という気もします。

というわけで、一旦私は、拡大縮小にしてみました。

もっと良い使い方が今後見つかると思いますが、今までマウス・トラックパッドでやっていたことをなるべくキーボードで完結させようという試みです。

登壇者の方はアクセシビリティのズーム機能に割り当てて使う例を紹介されていました。

フロントのジェスチャー機能は…

これは使い方によると思うのですが、私のデスク環境では、ご覧の通り、アームレストがフロントジェスチャーパッドをほぼ覆っており、触りようがありません。

アームレストを使わない方、出先でアームレストがない環境(ノートパソコンのキーボードの上にHHKB Studioを置く、など)であれば使え得ると思います。

もしくは、今回、バード電子から新しい、HHKB Studio専用のアームレストが新発売されています。こちらを購入して使うと良いでしょう。

HHKB Studio専用タイピングベッド®︎ PW-HHT-3

こちらは非常に薄くなっており、直接アームレストとジェスチャーパッドが干渉する事がありません。

ただ、私はこのチョコレート色が好みでなく、オーク材が好ましかったので、今回購入しませんでした。

私の個人的な好みを抜きにしても、キーボードの側面(左右)であればキーボードからほぼ手を離さず、左右の小指でジェスチャー操作が可能ですが、キーボードのフロントのジェスチャーパッドはキーボードから手をある程度離さないと触りづらく、「とりあえず付けてみたけどHHKBの目指す、なるべくキーボードから手を離さなくてもすべてが出来る」という目指す方向性から少しズレているような気がします。

もちろん、有るに越したことはないので、何か使い道が見つかったら使いたいと思います。

ソフトウェアは後でいくらでもフォームウェアアップデートで書き換えられますが、ハードウェアは変更不可、物理的にジェスチャーパッドがフロントについてる・ついてないは後で変えられないですからね。とりあえず付けておいて、無難なマッピングをしておくか、もしくは無効のプロファイルを書き込んでおけばよいでしょう。

個人的な購入初日の感想まとめ

というわけで、長々と書いてきましたが、個人的な感想を端的に表現するなら、「HHKB Studioは買い!」だと思います。

ポインティングデバイス搭載によりマウスに手を伸ばす回数が減る = 時間の短縮 = 生産性が向上
ジェスチャーパッドは左右は便利
・打刻感は好みだが、静音性は向上。HHKB好きの人が悪いと思うタイピング感ではない
・キーマップ変更機能は…ソフトウェアで代替出来るが、あるに越したことはない

そして、これはまだ、初期ロットです。今はまだ付いてない機能ですが、「スペース左右のコマンドボタン(Winキー)を長押しでかな・英数切り替え」機能などが将来付く、かもしれません。

メカニカル方式になったことでキーキャップも他社と互換性があり、変えられるようになっているので、自作キーボード勢にも良くなったかもしれません。将来的には3Dプリンタでキーキャップを印刷できるようにデータを配るといった話もユーザーミートアップの中であったように思います。自由度は上がっている、上がっていくので、長く使える、長く楽しめるキーボードになったと思います。

「HHKBの使い方に体を合わせる」のではなく、「HHKBを自分色に染める」というのが今回のテーマの1つといった話が開発者の方から有りました。

自分の色に染めていく、自分にHHKBを合わせていくのが、今後はよりもっとやりやすくなっていくでしょう。

少なくても、現時点で、「マウスに手を伸ばす回数が減る!」というただ一点においても、悪くない選択肢であると思います。皆様もぜひどうぞ!

ps. 早く「雪」色が出て欲しいです!
HHKB Hybrid Type-S 雪も半年前に買ったばかりなのですが…笑

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Koichiro, Sumi

Founder of Sider. Sider is Automated Code Review Platform on GitHub. 取り留めもなく日々思ったことを綴ります。