テックブログよりも個人ブログを書くべき3つの理由
エンジニア向けの企業のブランディング施策として、「テックブログ」が流行っていると思います。もう数年以上前から流行っているので、今更ですが、あえて逆の事を書いてみます。
テックブログが良い理由
特にスタートアップ企業は企業名が誰にも知られていないため採用活動が難しい、かつ、採用に費用や時間を十分に費やせないという制約があるケースが多く、その中でも出来る1つの方法として、企業としてテックブログを運営して、企業名を知ってもらうことが挙げられます。
企業のビジネスモデルなどに合わせて、自分たちが得意な領域に合わせて、テックブログで発信していくと、認知され、ブランドを帯び、採用に効いてくるでしょう。
- 画像認識に優れたスタートアップ企業なら〜
- AWSについて一番詳しくいつも〜が書いているので、AWSについてなら〜
- Rを使ったユーザ行動分析なら〜
テックブログは会社を技術者に知ってもらうために有益な方法です。
また、テックブログを書くのは業務の1つなので、会社の時間を情報発信に使うことが出来、結果的に情報の発信量は皆がテックブログを運営したほうが多くなるはずです。
個人ブログの方が良い理由
私はこうやって自分のブログに自分の事を書いています。このブログにはテック要素は全くありませんが。
以前にテックブログに個人的な記事を書いたことがあるのですが、これは個人ブログにすべきだったかもしれないと思う事もあります。それにはいくつかの理由があります。
個人ブログはテックブログよりも長命
誤解を恐れずにいうと、個人ブログはテックブログよりも長命です。
私は過去に何個もプロダクトを運営して、何個も閉鎖してきました。それぞれのプロダクトごとにブログだったりメディアだったりも運用していましたが、ドメインごと閉鎖してきました。一方で、私個人のブログは一度も閉鎖されることなく、ずっと提供され続けています。
余談ですが、私のブログは下記のように移り変わってきました。(URLは恥ずかしいので載せませんが、全部アクセスは可能です)
- 読書感想を書き連ねたブログ 2007–2009 at blogspot
- ひたすらパチスロの記録を綴ったブログ 2009–2009 at アメブロ
- 社会人になってから主にスマホアプリ開発、Rails、起業的なトピックを書き連ねたブログ 2009–2016 at WordPress
- このブログ 2009- at Medium
私の例だけをとっても、個人ブログはとっても長命です。
何を書いても良い
テックブログのような企業体に属するメディアの場合、そのメディアの運営責任者は企業ですから、運営する以上、企業は責任を持って運用する必要があります。どうでもいいポエムなどを企業の運営するブログに載せてよいかは多くの場合許可が降りないかもしれません。
個人ブログなら誰に許可を取る必要もなくかけますし、内容も縛られません。「〜について一番くわしい〜のテックブログ」みたいなブランディングを必要とするテックブログの場合、それ以外の話題は読者にとって適切ではないかもしれません。個人ブログでも同じくブランディングのためにしていることもあるかもしれませんが、基本的には個人に興味を持って読んでもらっているはずなので、何を書いても良いはずです。
先の「エンジニア組織において元エンジニアの代表が心掛けていること」もメンバーにもある程度は見てもらった上で出していて、自由な運営をしているテックブログであっても、個人ブログには自由さでは劣ります。
人はいつか企業を卒業する
現代、終身雇用制度に載っかっている人は多くありません。テックブログに書いている内容を修正したいタイミングがあるかと思います。情報が古くなっているにもかかわらず読まれ続けていたり、間違っていたりしたら。
その時誰がその記事を更新するのは誰でしょうか?執筆者本人でなければ難しいと思いますが、その時点で執筆者が会社に在籍しているとは限りません。特にWeb界隈、IT界隈は終身雇用とはかけ離れています。
もしその記事がテックブログではなく自分のブログに書いてあれば、いつでも更新することが出来るでしょう。今のテックブログブームは、数年後には、メンテナンスされていない誤った情報を溢れさせる事になっているかもしれません。
おわりに
テックブログを否定するわけではないですが、私は以下のように考えています。
- テックブログと個人ブログのどっちに書くか悩んだら、個人ブログに書こう
- 業務時間に個人のブログを書く自由を企業は作るべき。その個人と一緒に働きたいという理由で企業に入ってきてくれる方もいるでしょうから、個人のブランディングもテックブログ同様に価値があります
- テックブログはテックブログで続けよう。イベントの主催など、個人に属さない内容はあるので、会社としての発信も不可欠です
完全に蛇足で完全にプライベート
ここからは本当に個人的な蛇足なのですが、2007年以前の自分のブログは残っていませんでした。2004年〜2007年に運営していたサイトもあったのですが、それはプロダクトとセットにして運営していたので、まるごと葬り去っていました。残念。
2006年〜2014年はmixiを使っていて、一部を2007年からブログに切り出していたようです。mixiは10年経過してから見るべきではない代物ですね。「ジョン・スミス」という架空の人物について書いてあったり、何かをトレスして描いた絵が出てきたり、本当に見るべきではないですね。
2006年より前、2004-2006はおそらく前略プロフだと思うのですが、もう思い出せませんし、残念ながら2016年9月にサービスごと終了しました。